● ピカソで充電。

NYのMOMA(近代美術館)でもヤギに会った。(10年前?)

ピカソのパワーはすごい。もう20年近く前。バルセロナのピカソ美術館を
見たときのこと。美術館を出る時には、何かエネルギーをすべて取られてしまった
ようで、ふらふらになった。
まだ若かったから、すべてを吸収しようと加減もせず、見いってしまっていたからだろう。
ピカソというお方、本当にエネルギッシュだ。作品数は確かなことはわかっていない
けれど91歳で没するまで素描や挿絵を加えると10万点を超えるという。
今大流行りのフェルメールの作品数が30数点だというのを考えると桁違い。
(フェルメールさん、ちょっと少なすぎるけれど)
女性関係もエネルギッシュだし、とにかくこちらも、覚悟して
そのエネルギーに負けないようにピカソさんの作品と相対しなければ
いけないわけだ。
という意気込みだけはあるものの、少々お疲れ気味の中
六本木の国立新美術館のピカソ展に行ってきた。
タイトルが「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」とあるように、巨匠の女性遍歴も
作品でたどることができるというもの。作品は、初期の青の時代から
バラ色の時代、だんだんキュビズム化していく時代、スペイン戦乱の時代など
170点の充実の内容。
イヤホンガイドを借りたのだが、その解説がすごくて、
次から次へ変わりゆく巨匠の女性たちとの関係をここまで解説してくれなくても
というくらい。巨匠は池田満寿夫さんなんかをはるかに超える愛とエロスの
作家だなあと、そのエネルギーにますます感服。
固定概念にとらわれず、古いものを解体して新しいものを再生していくという
ことはエネルギーがなくてはできないし、そのすごさが今回は身にしみました。
個人的には、2またかけていた(失礼)巨匠の恋人、マリー・テレーズとドラ・マールを
ほとんど同じ構図で描いた肖像画はひとつのハイライトではないかと。
そして、お気に入りの、ブロンズで作ったヤギにも会えたし・・。
このヤギ、解説によると廃棄物で作ったやぎをブロンズで作ったもの
とのこと。エコアートだったわけだ。
巨匠の美術展は、国立新美術館とサントリー美術館と2本立て。
今の東京は、ピカソだけでなく、セザンヌもフェルメールも浮世絵もみんな
見られる。なんて贅沢な都市なんでしょ。

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