● かにの日

「おいしいものを食べると幸せになる」
それを毎年かみしめる日、それが恒例「かにの日」です。
日本海の荒波に育てられた越前ガニを、一番おいしい時に毎年友人一家
M家にごちそうになっている私は本当に幸せ者。
越前ガニは福井県で水揚げされるズワイガニのことで、だいたい
11月から3月までの5ヶ月間しかとれません。
そして、今がまさに旬。
この貴重な越前ガニは、今までいただいてきたどんなカニに比べても
その繊細さ、カニ味噌の豊潤さなど、たぶん右に出るカニ(笑)がいないのでは
というくらい。
食通で知られる開高健さんが、そのエッセイで書いている通り
夢中になって食べたことでも知られています。
「カニの日」と呼んでいるこのイベント、もう20年も続いています。
始まった頃に生まれたM家の長女のK子ちゃんが今年成人式を迎えた
ので、今年は「祝20年」が重なっためでたい年でした。
食べ方はまず、ゆでたカニを何もつけずに食べます。ひたすら食べます。
甲羅の中にたっぷり蓄えられている味噌をつけて食べるもよし。
雄だけでなく、雌のねっとりとした内子やプチプチとした食感の外子を楽しむもよし。
甲羅はほぼ食べ終わったら、日本酒を入れてこうばしく、甲羅酒に。
そして足の細い部分は、身を取り出してカニチャーハンに。
食べ終わった殻は、じっくり煮出してカニ味噌汁にと、
余すところなく食べ尽くします。
「このカニは絶品である。いいようがない。
シュンに食べてごらん。
それも産地へ体をはこび、できたら朝の一時、二時頃、
沖から舟が帰ってくるのを
波止場の魚市場のガランとしたところで待つのである。」
開高健『越前ガニ』より
いつかは、開高さんのように、越前ガニをその産地で
むさぼり食べてみたいと思いがつのるカニの日でした。

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