● 世田谷文学館へ

マガジンハウスwebより

もう8月も終わりという最後の土曜日。友人Kさんと一緒に世田谷の
文学館&美術館巡りをしてきた。まずは自転車で「世田谷文学館」へ。
見たかった「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」。http://www.setabun.or.jp/exhibition/horiuchi/
堀内さんは、ananやブルータス、ポパイ、オリーブといった
日本の雑誌のゴールデンエイジのエディトリアルデザインをした人。
いやいやデザインだけじゃなく、企画そのものにもかかわっていた。
若かりし頃、食い入るように読んだ雑誌の数々が並ぶ。
秋川リサに金子ユリがモデルをするスペイン特集、パリ特集。
見たことのある紙面。雑誌は、こんなにも輝いていたんだなあと・・。

そして、私の海外旅行ガイドブックのバイブルとも言える「パリからの旅」。
堀内さんがすべて手書きの文字とイラストで構成したパリの地図。
今も飽きることなく眺めていられる。
インターネットもなかった時代に、ここまで詳細な情報は現地でも
しっかり役に立った。
チュニジアに行ったのも、堀内さんの影響。
ストラスブールやカルカッソンといったフランスの素晴らしい田舎を訪れる
ことができたのも、この本のおかげ。

トイレサインに堀内さんデザインのオリーブが

展示は、堀内さんの絵本作家としての幅広さもしっかりアピール。
「ぐるんぱのようちえん」の原画も展示してある。
帰りに、澁澤龍彦さんとの往復書簡集を買う。
澁澤さんもたくさんの影響を受けた人。
堀内さんと澁澤さんは旅の仲間で,一緒に欧州を旅したり
帰ってからも手紙で交流が続いていたほどの仲と知ってびっくり。
その上、二人とも50代という若さで同じガンという病気で同じ年に
亡くなるという奇遇。
二人とも、濃密な人生を生きすぎたのかもしれない。
文学館の後は環八を自転車ですっとばして砧公園の
世田谷美術館へ。「メキシコ20世紀絵画展」で
ディエゴ・リベラらの血の濃い絵画を見る。
帰ってから久しぶりに「パリからの旅」を読む。
旅に出たくなったな。

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