● 台北その3 古い建物をリニューアル

台北でも最近は古い建物や街並みを保存して、もう一度新たな用途でよみがえらせる
といった試みが増えている。
ここは、龍山寺に近い 「台北市郷土教育中心」。
残念ながら月曜日はお休みで中を見ることはできなかったが
建物の中は医療区、教育区、特別展区の3つに分けられ、
いろいろ体験しながら学べるらしい。
台湾は日清戦争後、50年くらい日本の統治下にあったので
とにかく日本の影響が濃い。この教育中心にもそういう影響が随所に見えるらしいが、
なんといってもびっくりしたのは、和式のトイレが公共の場所にたくさんあること。
特に学校はほぼ和式だそうだ。世界中探したって、和式のトイレのある国は
日本以外には台湾ぐらいだろう。
それに、年配の人は流暢に日本語を話してくれる。
司馬遼太郎さんの「街道をゆく 台湾編」にも書かれていたが
日本統治時代に、水道、電気、鉄道、道路などのインフラが整備され
ダムを作ったり、鉄道をひいたり、台湾の基礎づくりには日本の力が存分に発揮された
ようだ。

「華山創意文化園区」は、日本統治時代に建てられたお酒やたばこの工場跡を
アートスペースにした場所。かなりの広さがあり、まだリニューアルが終わっていない
場所もたくさんある。
ギャラリーやショップ、レストラン、映画館、イベント会場など、今の台湾がわかる
魅力的なスペースに生まれ変わっている。

「青葉」という人気の台湾料理のビュッフェスタイルのニューショップが入っていたり
ギャラリーも大小いろいろあって、古い建物と新しい台北の勢いが
マッチしてとっても魅力的な場所に。やはりこちらは、若い人が圧倒的に
多く、写真撮影などにも数多く使われているとか。

古い台湾の生地をリメイクしたドレスなども

こちらは、台湾の知人Mさんに夜連れていってもらった
「台北の家」。元アメリカ大使館邸を改装した複合ショップで
雑貨・インテリア・書籍・ビデオのショップとカフェ、バー、映画館などが入っている。
うれしかったのはカフェの名前「珈琲時光」。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
監督のあの映画からとったものだという。
一青窈さんと浅野忠信さんが主演のあの渋い映画。
小津安二郎にオマージュを捧げたあの映画には、神保町のレトロな喫茶店が
たくさん出てきたっけ。この建物にも、なんとなく同じテイストを感じる。
古くて新しい場所が増えていくのはとってもいいこと。
スクラップ&ビルドは廃棄物を増やすだけじゃなく、その土地にあった
文化や歴史も消してしまうということだから。

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