千葉再発見

千葉というと「海」の印象が強いのだけれど、意外にも内陸部には
豊かな里山や渓谷がある。
まずは、養老渓谷。紅葉で有名なところだけれど、新緑もすばらしい。
渓谷沿いに滝巡りの歩きやすい歩道が整備されている。
途中で、子供たちが川の中で採取した昆虫たちを集めて勉強中。
川虫、川エビ、沢ガニなどびっくりするくらいたくさんの生物が住んでいる。
ゴキブリみたいなヤゴは、オニヤンマになるそうな。
思わず、子供たちに交じって、先生?の解説に聞き入ってしまった。
このあたりは、さるやキョン、鹿なども出没するようで、
湧水も豊富なので、夕方になると動物たちが水を飲みに沢に降りてくるのだという。
本当にまだ豊かな生態系が残っている貴重な場所。
帰りに地元の農家の店先で「八竹」というこのあたりでとれる地たけのこを買う。
あくがなくて、そのまま炒め物やお味噌汁にも入れられて便利。
筍フリークとしては、うれしいお土産となった。

夕食は、宿泊先の御宿から車で15分くらい山の方に入ったところにある
古民家レストラン「愚為庵」http://www.daichi.nu/guian/guian.htmへ。
かやぶきの堂々たる古民家。200年はたっているという。
夜のお客様は私たちだけということで、まるで知り合いの家に招かれたかのように
ゆっくりする。お料理は、地元のお野菜、海の幸をたっぷりと使った、それは手の込んだ
お料理。どれも、しみじみとおいしい。
ふと、小川糸さんの小説「食堂かたつむり」を思い出してしまった。
オーナーの女主人が、土間にあるいくつものつばめの巣について説明してくれる。
毎年25組ものつばめがやってきて、土間で子育てをするという。
「朝、つばめに催促されて戸を夜明けに開けるのよ」
と女主人。でも今年は2組しか来ないと心配そう。
「何か気候や自然が変わるしるしじゃないといいのだけれど・・」
確かに、渡り鳥は自然や気候の変化に一番敏感。こんな自然の豊かなところにも
変化はたくさん起きているようだ。

翌日。なんとか降り続いていた雨もやんで、勝浦の朝市へ。
漁港の目の前に毎朝開かれる朝市は、鮮魚やひものだけでなく
農家の方々が自慢の野菜や加工品を持って集まる
いわゆる「ファーマーズ&フィッシュマーケット」だ。
新鮮な干物、野菜とぐるっと一回りしただけで
持ちきれないくらいの食材を買ってしまう私。
そら豆なんて、200円で山盛り。そのうえおまけもたくさん。
東京で買うと、さやから豆を取り出すと、あまりに少なくなって
悲しくなるけれど、朝市ではおばちゃんたちが、さやから出して
山盛りで売ってくれる。ああ、ありがたし。

鴨川の大山千枚田は、ずっと行きたかった場所。
バリのライステラスにも劣らない、365枚のそれはみごとな棚田が続く。
この里山も、一時は高齢化で荒れはててしまいそうになったこともあった。
でも、今は棚田オーナー制度やトラスト制度を作って、維持され、さまざまなイベントや
環境学習なども力を入れていて、訪れる人も増えている。http://www.senmaida.com/
この日もNPOの若者たちは、棚田でどろんこバレーボールに興じ、
駐車場にはバスが来るほどの人気。
この大山千枚田がある鴨川は、アーティストや農業をはじめようという
若者が集まって、エコビレッジを作ったり、地域通貨を流通させるなど
新しいムーブメントが起こりつつある場所。
今回は、見物に終わってしまったけれど、次回はぜひ住み始めた人たちにも
話を聞いてみたいなあと思う。
千葉の内陸部は、東京からさほど遠くないのに、何かすごく昔からあるものがそのまま
残された場所のように思える。
そんなこんなで、今回は千葉のあたらしい魅力再発見の旅となりました。

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