たっぷり印象派

積みわら 日没

今、東京では「オルセー美術館展」「ボストン美術館展」「ストラスブール美術館展」などなど、
美術館の改修に伴って、貴重な作品が目白押しだ。
特に、印象派の作品はかなりの質と量の名作が、東京にいながらにして見られる。
これは、ほんと東京に住んでいるご褒美みたいなもの。
金曜日、打ち合わせなどの合間をぬって、そのひとつ「ボストン美術館展」
へ行ってみる。
名作ぞろいなのだけれど、その中の「モネの部屋」すばらしかった。
モネが繰り返して書いているモチーフの「ルーアン大聖堂」に「積みわら」を
はじめ、代表作が10点。
「積みわら」シリーズはいろいろなところで見たのだけれど、今回が一番
ドキドキした。
自然は一時も同じ表情はない。夜明けから夕刻まで、光も空気も色も全部違う。
その一瞬、一瞬の異なる表情をとらえるモネ先生のみずみずしい感動が伝わってくる。
モネは、この積みわらを30作も描いている。すごい。
モネに感動していたら、BSで華道家の仮谷崎さんがモネのジヴェルニーの庭を
訪れるというドキュメンタリーを偶然見る。
色にこだわるモネ先生。庭の樹木や花もすべて色にものすごくこだわって
植えていたそうな。水連や柳や藤の花など、浮世絵にはまっていたモネ先生の
こだわりもよくわかる。世界中から気に入った植物を集めて育てていた熱意はすごい。
あの水連のシリーズも、この植物への情熱があって生まれたわけだ。
夜明け前から庭に出て、夜明けの空がブルーに染まっていく瞬間から絵筆を
もつ姿がなんとなく見えてきた。

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