最近読んだ本など

今年の夏は、今まで読めなかった本、気になっていた本をじっくり
読めたらいいなあと思っています。
まずは、友人でもある容子さんhttp://www.yokoueno.com/が翻訳した本
「大切な人の看取り方」。
作者は長年アメリカのホスピスケアの最前線で経験を積んだ看護師さん。
多くの人をその家族と共に看取り、そのプロセスを経験してきた方だからこそ
書けるたくさんの豊富な事例と共に、家族や大事な友人など大切な人が亡くなる時に
どう理解したらいいのか、どういう時間を過ごしたらいいのかを書いています。
作者が言うように、確かに、人間は生まれることと同時に死ぬということも自然の摂理。
「死は予測可能な自然なプロセスで、人生のサイクルの一部なのです」
豊かな最期を過ごすためには、このような本が必要だと痛感しました。
翻訳した容子さんご自身も、亡くなったご主人ジムさんを看取る時に、この本があったら
どんなに助けになったかと言っています。また、そのことがこの本がうまれるきっかけにも
なっているのです。
重いテーマではありますが、作者は淡々と冷静に死と向き合うこと
実際の死のプロセスを知ることの重要性を説いていきます。
彼女は、死は恐れるべきものではないこと、そしてそれを「妊娠」のプロセスに例えます。
最愛の人との最後の日々の過ごし方をいかに豊かなものにするか
この本が大事なことをたくさん教えてくれました。

さて、こちらは一変して猫の本「いっしょにいるだけで」。
森下典子さんのみずみずしい筆致で、ぐんぐん引き込まれる本です。
元々猫嫌いだった森下さんの実家の片隅に野良猫が5匹の子猫を産んでしまったことから
始まる猫と森下さんちのハートウォーミングストーリー。
もちろん実話です。
猫の面白さ、かわいさにどんどんはまっていく森下さん親子の様子が
ほんとにおかしい。
20年以上猫を飼っている者としては、森下さんの驚きが
逆に新鮮に響きます。
ちょうどぐんぐん大きくなりつつあるうちの2匹の兄弟を育てながらの時期だったので、
タイムリーでなおかつ憂き世を忘れる読書タイムとなりました。
紹介した2冊の本とも、私の本を担当してくれた飛鳥新社の島口さん担当の本です。
でもそういうことは別にしても、どちらの本も私にとっては大事な本になりました。

そして3冊目。
ああ、もう最初の10ページを見ただけでだめでした。
涙で曇ってきます。
福島原発20キロ圏内に残された家畜の牛、馬、そして飼われていた
犬、猫たちを撮った写真とエッセイ「のこされた動物たち」太田康介著(飛鳥新社刊)。
何の責任もないのに、動物たちはどうしてこんな状態におかれなければ
ならないのでしょうか。
2,3日で帰れると信じて、ペットや家畜を置いていった人たち。
事故は終息せず、今も帰れず、残された動物たちだけが
そこにいます。
飼い主の帰りを信じてそのまま息絶えた犬、猫、牛、馬たち。
動物にとってもっともむごい餓死という現実。
それを創り出したのは私たち人間です。
カメラマンでもある太田さんは、福島に十数回足を運び
他のボランティアさんと一緒に、犬ねこの保護活動を行っています。
命ある動物たちを救うのは国の役目です。
先進国はどこでも動物を人間と同様に命として扱います。
見殺しにするのは、「野蛮な国」です。
その中でも救いは、この作者のように草の根・手弁当で動物たちの
救助をしているボランティアさんやNPOさんたちがいること。
胸がはりさけるようになる写真がいっぱいですが
現実を見て、彼らの手助けが何かできないかを私自身も考えて行きたいと
思っています。

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