冬の金沢へ

冬の金沢、実は2回目です。でも最初は数十年前のお正月。
市場もお店もみんなしまっていて、ちょっと残念でした。
今回は12月と押し迫ってはいるものの、お正月の準備などで
街はしっとりと華やいでいました。
左は東茶屋街、右は西茶屋街。
いわゆる花街です。お茶屋の建物が並びます。
江戸時代は芸子さんが三味線を弾き、踊り、旦那や文人は
飲み、遊んだところ。といってもそういった遊びは
茶芸や俳句なども含まれ、文化的にはかなり高度だった様子。
そこからいろいろ流行りのカルチャーが生まれたわけですね。

茶屋の中は、このベンガラ色の壁が気分を盛り上げます。
ベンガラは天然の塗料。防腐効果もあり、赤といっても日本伝統の朱色で
いろいろな色があるそうです。
遊びを楽しむ部屋は、こういう気持ちを高揚させる色がいいんでしょうね。
芸子さんが使っていた櫛やかんざしなども飾ってありました。
どれも金箔やうるしを使ってとても繊細で美しいものです。
日本の職人さんのデザイン力はほんとうにすごいなあと
いつも感嘆させられます。

東茶屋街で金箔アイテムを扱っているお店に行きました。
金箔って成金趣味みたいで、興味がなかったのですが
認識が変わりました。
その技術すごいです。その薄さ、わずか1万分の1~2mm。
日本人でなければできない丁寧な仕事です。
箔座というお店で、金箔を使ったアクセサリーを買いました。
少し早い自分へのクリスマスプレゼントに。
金沢のお店は古い町屋を改造して作っているお店も多く
ディスプレイやパッケージもレベルが高いです。
加賀前田家100万石の伝統文化が培われてきた
土地柄なんでしょうか。
美意識が独特です。

街歩きのひとつの楽しみは食。これはもう誰も知らない人がいないでしょう。
着いてすぐに近江市場に直行(笑)
市場の中の寿司店で、すぐにこの時期しか食べられないメスの松葉ガニ
「香箱カニ」をいただきました。
至福のひと時です。
夜もお寿司屋さんへ。東茶屋街のほど近く、梅の橋前にある「はちろう寿司」です。
一元さんにもかかわらず、大将は気持ちよく接してくれて
金沢の冬の幸を堪能しました。
ああ、幸せ。

金沢は伝統文化だけでなく、現代美術も元気です。
金沢21世紀美術館はずっと行きたかった美術館のひとつ。
妹島和世さんらの設計で賞もたくさんとっています。
円形の建物の中にスクエアの展示室がいくつもあって、トップライトや
光庭も。
今回は展示替え時期で見られる展示は少なかったものの
柿沼康二さんという方の書アートの大迫力に圧倒されました。
かなりロックな書道家です。http://kakinumaism.jugem.jp/
うわさの作品「スイミングプール」も楽しく体験。
東京と違って人が少ないのもいいです。
来年は金沢にも新幹線が通って、東京から2時間ちょっとで行けるように
なるそうです。
便利になるのはいいけれど、今のような金沢らしい静けさと粋は
失わないでほしいなあと、贅沢な望みかもしれませんが・・。

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