● 御近所的ロードムービー

愛犬アポロンとほぼ毎日のように歩いている玉川上水の
散歩コースが映画になっている。
題名は「怒る西行」。日本むかし話などを長年手がけてきた
映画監督の沖島勲氏によるものだ。
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Y字路

1時間半になるこの映画だが、まさに私の散歩コースを
全編で歩くロードムービー。
スタートは久我山の岩崎橋。そこから我が家から見える
兵庫橋へ。この橋は監督によると、ブラマンクの風景なのだそうだ。
毎日見ているなんということのない橋なんだが、監督によると
既視感を強く感じると。
そこから、道路計画のために壊されていく家を映しながら 兵庫橋公園へ。
八重桜が散る時期は、この公園が一番きれいな季節だ。
去年の4月ごろに撮影されたんだなと思う。
ちょうどこのころ亡くなった愛猫チャチャを思い出す。
東京は冗談のような風景に変えられてしまうと監督は嘆く。
その後も、上水脇のマンションを見ながら、村上春樹を語り、
東橋の先のY字路では横尾忠則を語る。
そんな風に、いろいろひたすら語りながら井の頭公園まで。
全くなんということのない映画なのだが、思いは映像から痛いほど伝わってくる。
監督も久我山に長年住んできたという。
失われつつある風景、そこにたくさん意味をこめてくれた映画
だった。

大けやき

梅開花しましたね。

映画のシーンを思い出しながら、井の頭公園まで歩く。
暖かくて、梅も咲いていた。
人見街道との境に立つ巨大けやきに、いつものようにお願いをする。
監督も、この木を切ったらたたりがあると言っていたっけ。
ほんとに、なんとかならないかな、この道路計画。

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