考える人

少し前だが、講談社の「考える人」の村上春樹ロングインタビューを
読む。http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/
ほんとうにロングだ。箱根の富士屋ホテルに泊まりこみの2泊3日、90ページを
超えるインタビュー記事。そして濃密な内容。
これは、インタビューアーの力なくしては成しえない内容だ。
制作者としての村上さんの姿をかなり多面的に聞き出していると思う。
先日ロシアでの村上熱が報道されたけれど、中国でもその熱狂ぶりは
すごいらしく「村上チルドレン」という言葉が流行るほどだとか。
いずれ、たぶんノーベル賞をとるだろうなあ。
海外でもきっとこのロングインタビューは翻訳されたらすごーく
話題になると思う。
内容はほんとうに盛りだくさんで、作品作りや翻訳のプロセスといったこと
だけじゃなく、毎日の仕事のリズムから、料理のこと、お昼寝のBGMまでさまざま。
特に、「本筋とはあまり関係ないところのデティールをあえて詳しく描写する」
「口語体、会話の中に心理的な描写を織り込んでいく」
といったところがなるほどなあと思った。
きゅうりのサンドイッチを作ったり、歯を磨いたりという
どーでもいいような、それでいて鮮度感のある描写が村上作品の中でも好きだから。
それと、会話。口語体の中にいろいろなものが隠れているところ。
そんな村上作品のツボについても、惜しげなく話しているのですよ。
そんなわけで、また今「羊をめぐる~」を読み直している。
いろいろ新しい発見がありそうだ。

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