デンマークロラン島は自然エネルギー100%

デンマークのロラン島を聞いたことがありますか?
環境やエネルギーに詳しい方なら、名前は知っているかもしれません。
コペンハーゲンから車で南西に175kmほどのところにある島です。
といってもコペンハーゲンから橋を渡っていけるので島という感じはしませんでしたが・・。
この沖縄くらいの大きさの島が今、大注目されています。
風力発電を中心とした自然エネルギーの先進的な
研究基地になっているのです。
440基の風力発電から発電される電力は島で消費される電力のなんと5倍。
風力だけで500%自給しているわけです。
余った電気は、首都コペンハーゲンなどで使われています。

写真は「ミスターエネルギー」と呼ばれる市議会議員のレオさん。
レオさんたちが先導役となって、かつて5人に1人が失業した辺境の島が
自然エネルギーをはじめとしたグリーンテクノロジーの島として生まれ変わったのです。
このロラン島、実はかつて原発予定地になったことがあります。
しかし、デンマークでは原発導入について市民も一緒に参加して3年間討議し
原発に頼らない国づくりを1985年に決定しています。
オイルショックがあった1970年代には日本よりエネルギー自給率が低かった
デンマークがどうしてこんなに先んでいるのか、そのあたりは
こちらのコラムを読んでいただけたらと思います。
http://ow.ly/eEotu
http://ow.ly/f0UTS

ロラン島では水素プロジェクト、藻からオイルなどを作りだす研究センターなど
先進的なプロジェクトを見せてもらったのですが、ここヴィジュアル気候センター
「Climate center」も大変興味深かったです。
砂糖工場だった風情ある建物をリノベーションしたセンター。
ここにはScience On a Sphere®と呼ばれる画像で見られる地球儀があります。
NASAなどが提供するデータで地球の気候変動による変化を見ることができます。
そこで、見せてくれたのが、これです。
昨年の東日本大震災の放射能がどう拡散していったかということが如実にわかります。

2011年3月15日

2011年3月19日

2011年3月23日

日本ではここまでリアルなものを見たことがありませんでした。
海上に抜けていったからよかったようなものの
風向きが反対だったらいったいどうなっていたか、言葉もありません。
放射能が近隣諸国にも降り注ぎ、海の汚染もだだごとではないことが
わかります。

ロラン島の環境への取組はまだまだたくさんあって書ききれません。
もしもっと知りたいなあと言う方は
写真に写っている環境ジャーナリストのニールセン北村朋子さんが
「ロラン島のエコ・チャレンジ」というとてもわかりやすい
良い本を書いていますので、是非そちらを読んでみてください。

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